第6章 和菓子と、恋人と……?
「私が、遊んでいたときも焦凍くんはそんな日々を過ごしていたんだね。ごめんね、語らせちゃって。」
「知らなかったとは思わなかった。」
「うん、焦凍くんについて何も知らなかった。」
触れていた火傷の痕から離す。昔、あんなに遊んでいたのにそんなことにも気づかないなんて。幼かったが、何だか触れてはいけないと思い、何も聞かなかった。
「でも、今、知れたから良かった!あーあ、焦凍くんと幼馴染みだったのに何も知らなかったよ。」
「……幻滅したか?」
「ううん、凄く不謹慎だけど……焦凍くんの過去に触れて嬉しい。」
もっと焦凍くんの事を知りたくなった。今の気持ちはそれだけだ。だから、強い子供を作ってくれ。なんて轟さんが言っていたんだ。うーん、まだ結婚もしてないのにせっかちだな。
「さっきは勝手に触ったけれど、もっと触っていい?」
「あぁ、いいぞ。」
前におでこにキスされたからそれのお返しのつもりでそこに唇をつける。すると前の私みたいに目を見開いて、それの火傷の痕に触れた焦凍くん。
「……お団子食べようか。」
何だか、甘酸っぱい雰囲気になり照れくさくなってきた。
その雰囲気を変えるごとく、和菓子に話題をやる。どこぞのアオハル楽しんでいる学生さんかよ。
パックから1本出そうとすると急に肩を掴まれて、ドアップで焦凍くんと目があった。
「これじゃ、ねぇのか?」
こ、この男は〜!!誰かこの男を何とかしてください。
照れて目線が焦凍くんの鍛えられた腕にいく。
そんな様子を見て、焦凍くんは私の顔を向かせてもう一度、口に唇をくっつけた。