第6章 和菓子と、恋人と……?
「へぇ、おめでとう。咲ちゃん。」
「お婆ちゃん、ありがとう。」
焦凍くんと無事に付き合い始めて、初めての和菓子あまみにくるとお婆ちゃんにすぐ報告した。
そして、今日はだんごがおすすめらしいので4本頼んでパックに詰めてもらっている。
「若い子はいいねぇ〜、私の若い頃はね……」
「お、咲じゃないか!!」
お婆ちゃんの話を遮るように轟さんが入ってきた。これまた、付き合ってから初めて会う轟さんだ。話には、出ているよね……?知っているよね。そんな一抹の不満を覚えた。
「咲ちゃんと貴方の息子さん、付き合うことになったって。」
「……うむ?」
もしかして、知らない!?轟さんをバッと見ると、あまり良い表情はしていなかった。すぐに轟さんの前に立ち、「お付き合いさせて貰うことになりました!」とお辞儀する。言ってなかったか!嫌、私もお母さんに言ってないから当たり前か。
「咲と付き合い始めたのか……。一言も話に出てないぞ。」
「は、はい……。」
「まぁ、良い。おめでとう。強い遺伝の子を作ってくれ。」
「それ、世間でいうセクハラよ。」
相変わらずだな、轟さん。お婆ちゃんがそうツッコむとむむ!と声をあげて謝られた。……そうだ、焦凍くんと轟さんの間に何があったのだろうか。それは聞いてない。
お金を払い、パックが入った袋を貰う。今日は、焦凍くんがオフなので寄る事になっていたのでそこで聞こう。
「本当におめでとう。」
「ありがとうございます。」
まぁ、轟さんに挨拶出来たから今日は少し良い事があって良かったな。