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【完結】和菓子と、幼馴染みと……?【轟焦凍】

第4章 失恋の饅頭




「しょーとくん、一緒に帰ろう!」
「あぁ。」


 放課後、焦凍くんと並んで帰る。いつもだったら部活だけでも、引退してしまったので帰る日にちが多くなっていった。正直に言って凄く嬉しい。
焦凍くんを見ていると「なんだ。」なんていつも通りに首を傾げられた。



「ううん、何でもない。」
「そうか……。これ、渡しておくな。」

 
 そう言われて渡されたのは、透明な包装紙に包まれた1つのお饅頭。バッと焦凍くんを見るといつも通り、クールな表情をしていた。


「良いの!?これ。」
「あぁ。家にたくさんあったから持ってきた。」

 そう言い、焦凍くんも出したのは同じお饅頭。包装を取り、お饅頭にがぶりと噛み付いた。
お饅頭は皮がふわふわしているが、中のこしあんはしっかりとしていて凄く舌触りが良い。
饅頭が怖い、怖いと言って貰うのも何だか分かる気がする。



「うーん、美味しい!」
「本当に幸せそうに食べるな。あ、付いているぞ。」


 そう言われて、口元を指で触れられた。焦凍くんの指には饅頭の皮と思われる物がついていて何だか恥ずかしい気持ちになった。
本当にこの仕草もかっこいいし、好きだな。本当に大好き。


一応、私達は結婚を誓いあった中だし焦凍くんも私のことが好きだと思う。周りのみんなもそう言っている。
お饅頭を食べながら、一緒の帰り道を歩いていく。これほど、良いシュチュエーションはあるだろうか?



「しょ、焦凍くん!」



 声が震えているが、立ち止まり名前を呼ぶと焦凍くんも立ち止まってくれて私をじっと見つめる。


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