第4章 失恋の饅頭
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「咲は、轟くんのこと大好きだよね。」
「うん!」
私達は中学3年生で男女との距離がほんの少しだけ変わる時期中。しかし、ながら私と焦凍くんは幼馴染みから何も変わってなかった。変わったといえば、私が焦凍くんに恋をしていること、焦凍くんがすごく格好よくなったこと。
「やっぱり、面食い?」
「違うよ!まぁ、顔が格好いいけれど、凄く優しいし、相談に乗ってくれるし……1番はそう、一緒にお菓子とか食べてくれること!」
「何を言っているの?」と友達に言われたが、気にしない。だって、一緒にお菓子食べて『美味しいね。』と言い合う事に幸せ感じるし、やっぱり私のことを知り尽くしているから私の食べている姿を見て微笑んでくれるんだ。それがたまらなく大好き。……なんて言ったら今後のネタにされそうなのでやめておこう。
「轟くん、また告白されたらしいよ!」
「まじかよ、波ちゃん!!」
中学で知り合った仲のいい波ちゃん。凄くちょこちょことしていて可愛い。そんな波ちゃんが焦りながら私のところまで来て、椅子から落ちそうになった。
「で、どうだったの?」
「見事に断ったらしいよ!後輩ちゃんだったんだけど、凄く可愛かった!」
敵は後輩にもいたか……。先輩が卒業したから安心していたけれど後輩にもいるなんて。焦凍くん、モテすぎでしょう!
「で、告白しないの?」
「受験生だけど、告白はしたい。でも、勉強が忙しいかなー。」
なんて言いながらも、受験生だけどもこれの時しかチャンスがないのは凄くわかっていた。
後輩にも告白されたと聞いたことあるし、同級生が告白したのも聞いたことあるし、はたまた先輩に告白されたも聞いたことある。
凄く焦っていた。でも、焦っていたけれど"幼馴染み"だったから何だか別に大丈夫だろ。という気持ちもある。