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【完結】和菓子と、幼馴染みと……?【轟焦凍】

第4章 失恋の饅頭




「焦凍くん、受験でい、忙しいと思うけれど……。」
「どこか出かけたいのか。」
「ち、違う!」


 ぎゅっとスカートを握りしめて、焦凍くんを見る。
自分でも分かるほどに顔が熱くなり、真っ赤になっていると思う。




「焦凍くんのことが大好きですっ!も、もしよければ、受験終わったあと、でも、つ、付き合ってくださ、い。」


 途切れ途切れのかっこ悪い告白だけでも、こっちは本気だ。だって焦凍くんが好きだもん。
今は付き合えないけれど、きっと受験終わったあとは付き合えると思う。

何も言わない焦凍くん。私はというと、緊張しすぎてどうにかなりそうだ。



「ご、ごめんね、きゅ、急に!」
「……すまねぇ。今は無理だ。」
「今は無理って……もしかして、高校で?」
「嫌、高校でも無理だ。」



 "高校でも、無理だ。""高校でも、無理だ。"と頭の中に周り、さっきまでのお花畑とは違い砂漠になったようだ。高校でも無理って……もう、何もかも無理じゃん。
涙が溜まっていき泣きそうだ。自分の自惚れにも、無理という言葉にももう何もかもが嫌になってきた。


「す、すまねぇ。」
「嫌、良いんだよ。私達、幼馴染みだもんね。きっと長い間は焦凍くんの好きだけど気にしないでね。本当に、ほ……。」


 涙が頬に伝わり、アスファルトを濡らしていく。焦凍くんに告白して振られた子は皆こんな気持ちだったんだ。
辛くて胸が痛くて、何だか自分が自分じゃない気がしてきた。



「本当に、ごめんね。じゃ、帰るね!また明日。」


 背を向けて、家まで走っていく。初めてだ、焦凍くんと一緒に帰っていて走り出すなんて。目を強引に袖で拭き、家まで帰っていく。


お母さんに悟られないように自室まで行き、ベットに寝っ転がる。見事に初恋は終わってしまった。
こんなにはなるとは思ってなかったし、付き合えなくても高校で付き合えると思っていた。





 あれからギクシャクして、数日後、焦凍くんに雄英の推薦がきてもっと話せなくなってしまい、一緒にお菓子を食べることはなくなってしまった。
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