第3章 甘いカステラ
「……あまみ行ったときに渡しとけって。
あと、爆豪とは、どんな関係なんだ。」
お婆ちゃんが渡しとけって……うん、ありそう。
焦凍くんは私の疑問を軽く流して、違う質問をされた。爆豪さんとは、……良き相談相手?なんて言ったら怒られるよね。さっきもチャージズマさんに言いかけた時に凄く般若みたいな顔をしていたし。
「趣味友達だよ!もう、急に焦凍くんびっくりしちゃったよ!さっき渡してくれれば良かったのに!……もしかして、あの場で食べると思ったから連れ出したんでしょう!」
「嫌、ちげぇ。」
違うって……も、もしかして嫉妬!?ぼっと自分でも分かるが顔が赤くなった。頬には熱がたまりなんだか恥ずかしくなった。……うぅ、良い大人がこんなんで照れるとか。改めて子供だと言うことが分かる。
でも、なんだか嬉しい。まだ付き合ってもないのに、嬉しい気持ちで一杯だ。
そうだよ、昔の初恋は焦凍くんの優しさとそういうところに惚れたんだよ。昔も今も何1つ変わってない。
しかし、当の本人は凄く静かで何も話してない。
「……焦凍くん?」
「お前が好きなのは、俺だよな。」
「そのことなんだけど、あ、あのね。」
言いかけた時、焦凍くんは暗い中でも分かるぐらいに寂しそうな表情をして「すまねぇ。」とまた謝った。何故、謝られたのはさっぱりだけども今は凄くいいチャンス。
言うんだ、咲。焦凍くんの事が好きぽいって。さっきの嫉妬も凄く嬉しかったって。
「焦凍くん、あ、あのね、」
「もう、咲には関わらねぇ。」
「へ?」
間抜けな声がまた、出てしまった。