第3章 甘いカステラ
「嫌、あー、えーと。」
「早く言ったほうが身のためだぜ。」
どこの刑事ドラマですか。今からでもカツ丼を出しそうな爆豪さんを誤魔化そうとしても無駄だ。だって、この人は人の弱みとかに漬け込むの大好きだもの!いい感じに飲み物がきたのでごくりと一口呑んだ。
「ま、まぁ、別に。」
「ごまかすの下手くそだな。」
「爆豪さんもだよ!」
昔、恋していた人だったけれどまたやり直したい。気持ちがある。けれど、これが果たして恋なのか。
連絡は時々しているが、別になんとも思わない。けれど、爆豪さんに"恋の1つや2つあるだろう"と言われたときには正直言ってドキッとなった。
どこに恋する要素があるのか、相変わらず優しいところ?意外とずばずば言ってしまうところ?格好いいところ?
「ほらほら、気になる野郎の名前言ってみろよ。」
実権を握ったかのように楽しそうに言う爆豪さん。にぎられたくなかった。でも、名前を言ったらきっと知っているだろう。だって同じヒーローだもの。
「……だから、気になるというか別に居ないからだい…」
「うぇッ!!??」
は、はい…?この状態をなんとか流そうとした瞬間に知らない人の声が聞こえた。爆豪さんと一緒に入り口の方を見ると髪の毛が金髪で雷みたいなメッシュが入った男の人、チャージズマが立っていた。
あの、何故ここにいるんですか?爆豪さんの顔がどんどんと怖くなり次第にシワも増えていく。
「ば、爆豪に彼女!!??」
「彼女じゃねぇわ!何でいるんだよ、アホ面ァ!!」