第1章 私が死んだ日
「その信ちゃん言うんは…
お前の好きなやつの名前やろ?
俺の見た目はお前らの見たいように
見えるように出来てるからなぁ…
って…あかんわ…
全然聞いてないやんか…(笑)」
誰かに嘘だと
言って欲しい…
何で…どうして…?
私は…まだ17歳で…
恋だって
まともにしたことが無いのに…
信号無視をしたのは私じゃない
車の方なのに…
こんなの理不尽も
いいとこじゃないか…(涙)
「信ちゃん…(涙)」
「ほやから俺は…」
「私…まだ死にたくない…!!
だって私まだ…何にも経験してない…
恋愛も…キスも…その先も…
私の人生は…こんなとこで…
終わりなの…?」
悔しくて悲しくて
溢れてくる涙も鼻水もそのままに
そう言って目の前にいる
天使の信ちゃんの手をぎゅっと握りしめると
「まさにそこや!!」
なんて信ちゃんは突然
部屋中に響き渡るでっかい声で
叫んで…
驚いてぴたりと泣き止んだ私に
「そんなついて無さすぎる
かわいそうなNo.15に
神様から特別チャンスのプレゼントや」
そう言って天使の信ちゃんは
なぜかひどいどや顔で
にんまりと笑いながら
私の目の前に一枚の誓約書を
差し出した…