第1章 私が死んだ日
真っ白な扉から突如現れた
信ちゃんは…
そりゃもう
どこからつっこめばいいのか
解らないほど
突っ込みどころが満載で…
真っ白なワンピースの裾を
ひらひらと揺らしながら
解りやすく頭上に輪っかを浮かばせ
私と同じように
ふわふわと地面から浮く足で
私の近くに来ると
「えっと…No.15
俺がお前の担当天使や!
よろしくな(笑)」
なんて私に向かって
キラキラの八重歯をチラ見せしつつ
にっこりと愛想よく笑う……(汗)
そんな自らを天使さんなんて
すっとぼけたことを言う
信ちゃんの腕を掴み
「あの……
ここは……ライブ会場ですか……?
もしかして私
知らぬまに会場にたどり着いて
そのまま気を失ったとか…?
ここは…救護室で…
だから信ちゃんは
そんなコントみたいな格好で
ここにいるんですよね…(笑)?
だったら早く
すばるくんに会いに行かなきゃ…」
そう言って
今信ちゃんが入ってきた扉に向かい
歩こうとすると
そんな私の頭を
信ちゃんはがしりと勢いよく掴むと
さっきまで私に向けていた笑顔を
すっかりと消した恐ろしい顔で
「待たんかい…このボケ!!!」
そう…
低くドスの効いた声で叫んだ…(涙)