第6章 幸せの賞味期限
「猫じゃなく…人間…?」
私が言った言葉を
ぼんやりと繰り返すすばるくんの顔を
「2ヶ月です…
2ヶ月だけでいいから…
私を彼女にしてくれませんか…?」
そう言って
まっすぐに見つめると
少しの沈黙の後…
「お前はほんまにそれでええの…?」
すばるくんの
低く静かな声が聞こえてくる…
そんなすばるくんの声に
「はい…」
そう小さく頷いた私に
「解った…」
すばるくんはそう言うと
私を抱き締めている手に
さらにぎゅっと力を入れる…
「大好きです…すばるくん…」
痛いほどに
抱き締めるられた腕の中で
そう小さく呟いた声は
きっとすばるくんには
届いていない…
それでも私は
この賞味期限付きの
甘酸っぱい恋愛を
命の限り悔いのないように
精一杯やり抜くことを
この時心に誓ったんだ…