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月の囁き

第6章 幸せの賞味期限


「ねぇ…信ちゃん…

私ってそんなにだめ…なのかなぁ…

すばるくんにとって私は猫以上には

なれないのかなぁ…」



女として見られないことが

情けなくてどこか恥ずかしくて

涙が出そうになるのを必死に堪えて

そう言ってため息を吐き出す私に



「別に…

だめ…とかやないと俺は思うぞ…?

お前にはお前のええとこがあるやろ?」



なんて信ちゃんは

珍しく優しい言葉をかけてきて



そんな信ちゃんの優しい言葉に

必死に我慢してた涙は

ぼろぼろと溢れ出してくる…



「あはは…もう…

やめてよ…信ちゃん(笑)


そこはいつもみたいに

ぼろくそにけなしてよ…


今の場面でそんなこと言われたら

泣くじゃんか…(笑)


そういうとこ

天使のくせにだめだなぁ…」



そう言ってごしごしと

次から次に溢れてくる涙を

手で拭っていると


そんな私の手を

少し冷たい信ちゃんの手が引き寄せ




「俺は天使やから嘘はつかれへんねん(笑)


お前はだめちゃうぞ…


それは近くで見てきた

俺がちゃんと知っとるわ…」



そう言って信ちゃんは

私の体をふわりと包み込む…



抱きしめられた腕の中



「信ちゃんは優しいね…」



そう言って

信ちゃんの胸に顔を埋めると…




「なにせ天使やからな(笑)」



なんて信ちゃんは

豪快に笑って



その後は


私が泣き止むまで

何にも言わずにただただずっと



側にいてくれたんだ…
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