第6章 幸せの賞味期限
"すいません…(涙)"
そう言い続ければ良かったのだけれど
「でもね…信ちゃん…?」
なんて少しでも
反論しようとしたのが
そもそもの間違いで…
「"でも"も…へったくれもないわ!!
お前は何のためにここにおんねん…?
生き返るためちゃうんかい…!?」
仮にも天使のくせに
信ちゃんは世にも恐ろしい顔で
私の目の前に詰め寄ってくる…(涙)
だから仕方なく
「信ちゃんの言うとおりです…」
そう言って項垂れると…
私の素直な反省の姿に満足したのか
信ちゃんはこほんと咳をし
近付けていた顔を離すと
「まぁ…あれや…
そのすばるいうやつも
一緒のベッドに寝て
指一本触れてこーへんてことは…
よっぽど…お前色気が乏しいんやなぁ…」
なんて今度は残念そうな顔をして
私の頭を撫でる信ちゃんの
無駄に優しい手の感触に…
「それは……
私も薄々気付いてたけど…
しみじみ言うのはやめようよ…?
よけいに傷付くからさ…」
見てみぬふりをしてた現実を
まじまじとつきつけられて
よけいに惨めで
泣きそうになった…(涙)