第5章 お仕置きという名の愛
だから今日も
俺が風呂から上がり
どことなくそわそわ落ち着きのない
猫の隣にビール片手にドンっと勢いよく
座ると…
それを待ち構えていたかのように
猫は大きく深呼吸をする…(笑)
そんな猫の深呼吸もそわそわも
気付かないふりをして
ビールを喉に流し込んでたら
ふわりと猫が動き
俺の膝の上に猫の頭がコロンと
乗っかる…
「何…してんの…(笑)?」
真っ赤な顔で
俺の膝の上に頭を乗せる猫に
笑いを噛み殺しながら
そう聞くと…
「何となく…
してみたくなりまして…(笑)」
なんて恥ずかしそうに
両手で顔を隠す猫が
無性にかわいく見えて
手を伸ばし
ふわふわと猫の前髪を撫でると
猫はすごく嬉しそうに笑って
眠たそうに
ゆっくりと目を閉じる…
"なんでそんなことしたんや…?"
そう聞かれても
答えなんて見つからへんけど
その時の俺は
もう少し猫と一緒にいたくて
眠たそうにあくびをする猫の体を
ふわりと持ち上げ
驚いたようにぽかんと口を開け
俺を見つめる猫を抱えて
寝室に歩き出した…