第5章 お仕置きという名の愛
すばるside
猫を飼い始めてから1週間…
「はぁ…」
本日何度目かのため息に
「口から魂はみ出てんで(笑)?」
なんて隣で新聞を読んでるひなが
こっちに目を向けることなく
からかってくる…
そんなひなの横顔を
ぼんやりと見つめてたら
つもりにつもりまくった胸のもやもやを
つい吐き出したくなって
「ひな…?」
そう声をかけると…
「うん…何や?」
なんてひなは新聞から目を離し
俺の顔を不思議そうに見つめる…
「猫をな…」
「猫…?」
「一週間前に
捨て猫を拾ったんやけと…」
「はぁ?そもそもお前
アレルギーあんのに猫なんか
拾えるわけない…」
「…………」
「……ほいで……?」
「その拾った猫がな……?
そこそこ大人なはずやのに……
やることなすこと全部が予想外で…
なんかほっとかれへんというか…
見ててはらはらすんねん…」
「うん…」
「そんでその猫がな……?
どうやら今発情期みたいやねん…
どうしたらええと思う?」
「ふーん…」
「ふーんて…何(笑)?」
「ふーんはふーんや!!
そもそもお前…
俺が何か言うたとこで
その猫捨てる気はないんやんか(笑)?
やったら発情期やろうがなんやろうが
自己責任で何とかせんかい!」
そう言ってひなは
ぱたんと新聞を閉じ立ち上がると
「ちょっと花摘みに行ってくるわ(笑)」
なんてひらひらと手を振り
相変わらずもやもやしっぱなしの俺の前から
全てを悟りきった憎たらしい
どや顔を浮かべて
さっさっといなくなった…(笑)