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月の囁き

第4章 猫になりたい


好きな人と手を繋いで歩くだけで

好きな人が笑いかけてくれるだけで



もっと側にいたい…

もっと近付きたい…


もっともっと生きていたい…



そんな欲が体の奥から

沸き上がってくる…




恋ってやつは

ひどく欲深いものなんだなぁ(笑)



「何をニヤニヤ一人で笑ってんの…(笑)?」



そんなすばるくんの声に



「何でもないです(笑)」



そう言って首を振ると



「うちの猫は

服とか歯ブラシとか身の回りのもんとか

買うもん一杯で金ばっかかかるなぁ…

拾った場所にもう一度捨てに行くか…?」




なんて眉間にシワを寄せ

繋いだ手を離そうとする。



だから





「無理です!!

返品不可です!!

すばるくん以外の飼い主は

私が受け付けませんからね!?」




なんて慌てて

すばるくんの手を

ぎゅっときつく握りしめると




「冗談に決まってるやろ…

あほか…(笑)」



そんな笑い声と一緒に

握り返される手に



嬉しくて

恥ずかしくて



胸の奥がむずむずして

ぎゅっと痛くなる…




恋ってやつは…

恋ってやつは…



嬉しかったり

苦しかったり




なんて奥が深いんだ!!!(汗)
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