• テキストサイズ

月の囁き

第3章 拾い猫


いざ家に連れてきてみた捨て猫は



嬉しそうに

部屋中をキョロキョロと見回し



満面の笑顔で俺の方を振り返り



「拾ってくれてありがとう…すばるくん」



なんてキラキラした目で俺を見つめて

お礼を言ったかと思うと急に



"ぐぅ…"



なんてお腹から派手な音をたてて

真っ赤な顔をして

慌てて腹を抑える…




仕方なく


空腹らしい猫に

買い置きしてあった

カップラーメンを与えたら



また目をキラキラさせ

嬉しそうにラーメンを食べてたかと

思ったら今度は調子に乗って

ラーメンを詰め込み過ぎたらしく

げほげほと勢いよくむせ込む…




けほけほと辛そうにむせ続ける

猫の背中に手を伸ばし

トントンと軽く叩いてやると



顔だけじゃなく

耳まで真っ赤に染めながら



「すいません…」


なんて申し訳なさそうに

謝りながら水を飲む…



いったい

なんなんやろこいつは…?




こいつのことを

俺はまだ何も知らんし



気を許すんは早い

そう思うのに



見た目と相反して

小さな子供と一緒におるみたいで





ほっとかれへんというか…

調子が狂うというか…



どうやら俺は


予想以上に

めんどくさい捨て猫を


拾ってしまったみたいや…(笑)
/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp