第2章 出逢いの日
「ちょっと待って…」
なんて叫ぶじゃがいもの声なんて
気にもせず
必死に走り
がしりと掴んだ手の先には
驚いたような…
怖がっているような…
なんとも言えない顔で
私を見つめるすばるくんがいて…
「あ…あの…私…は…あなたと…
じゃなくて…H…じゃない…!!
うわぁ…もう(涙)!!」
そんな訳の解らない言葉を
並べる私に
「え…何…(汗)?」
なんて
突然握りしめられた私の手から
逃げだそうと後退りする…
そりゃそうだよ…
いきなり現れて手を握りしめ
訳の解らないことをしゃべる女なんて
恐怖でしかない…(涙)
そんな恐怖を与えて
すばるくんには
大変申し訳ないけれど
それでも私には
今このチャンスを逃す訳には
いかないんだ…!!
だから私はぎゅっときつく
目を閉じて…
「わ…私を…拾ってください!!!」
そう叫んで
私の手から逃げだそうと必死な
すばるくんの手を
さらに両手できつく握りしめた…