第2章 出逢いの日
私の手を握りしめる
じゃがいもは
「いや…あの…手を…(汗)」
なんて顔をひきつらせながら
後退りする私に
「名前は?
ここらへんに住んでんの?
今からどこ行くん?」
なんて…
怒濤の質問攻めで
追い詰めてくる始末で…(汗)
そんなじゃがいもに
うんざりしながら
「私が誰だろうとあんたには関係ないし…
だから手を離せ…こらって…
あーーー!!!」
手を振りほどこうとした瞬間
私は気付いてしまったんだ…
今入り口で揉める私とじゃがいもの顔に
ちらりと邪魔くさそうに目を向け
足早に前を通りすぎたのは
帽子をかぶっていても
マスクをしていても
見間違うはずがない
私の運命の人
すばるくんだ!!!
そうと解れば
「だから名前は?」
何ていまだに私の手を
大事そうに握りしめるじゃがいもの手を
「今すぐその手を離せ!
私はするべきことがあるんだってば!!」
そんな言葉と一緒に
ふりほどき
私はまっすぐに
今度は間違えることなく
私の運命の人…
すばるくんに向かって
走りだした…