第2章 出逢いの日
「だって昨日までは私
間違いなく17歳だったんだよ?
いきなりこの姿になって…
まだ全然慣れないんだもん…」
そう言って
17歳だった時よりも
少し膨らんだ胸や
履きなれないヒールに突っ込んだ足に
視線を落とすと
そんな私に
天使の信ちゃんは
眉間にシワを寄せため息を吐き出し
「お前が言うたんやろ?
17歳じゃ見向きもされへんから
もっと年取って見えるようにしてくれて!
今その見た目にしたってんのも
特別大サービスやのに
まだお前は文句を…」
なんて
お説教の香りを漂よわせ始めるから
「はい…すいません!!
信ちゃんにはすごーく感謝してます!!」
そう言って勢いよく頭を下げると
解りやすく
「そやろ…(笑)?」
なんて信ちゃんは
ご機嫌に鼻の穴を膨らませる…(笑)
よしよし…
この二日で
天使の信ちゃんの扱い方を
なんとなくマスターしてきた
気がする(笑)
そんな
ご機嫌な信ちゃんに
「でもさ…信ちゃん?
私だって早くすばるくんに
出会いたいけどさ…
どこにいけば出会えるのか
全然解んないんだけど…?」
そう言って首をかしげると
天使の信ちゃんは
膨らんだ鼻の穴をそのままに
さらにどや顔をプラスさせて
「そんなら…行くで?」
そう言ってにんまり笑うと
私の手を掴み
誰もいなくなった
会場の前に
ぽんっと小さな音を響かせた…