第2章 出逢いの日
ライブが終わり
人もまばらになった会場前で
ぼんやりと入り口を見つめながら
「中で見たかったなぁ…」
そうポツリと呟く声に
「お前はいつまで
ここでぼけっとしとんねん!!
お前には3ヶ月しか時間がないんやぞ?
無駄なことしとかんと
ちゃっちゃとあいつに
会いに行かんかい!?」
そんな声がして
ため息を吐き出しながら
声のする方へ顔を向けると
私の担当天使の信ちゃんが
もう見慣れたロングのワンピースを
ひらひら揺らしながらふわふわと
私の隣に浮かんでいて…
「うるさいよ…信ちゃん?
私は昨日死んだところで…
現実受け入れるだけでもいっぱいいっぱい
なんだよ?
天使ならさ…
もうちょっと優しーく
慰めの言葉とかかけても
いいんじゃないかい?」
ほっぺたを膨らましながら
そう文句を言うと…
そんな私の膨らんだほっぺたを
容赦なくぺしゃりと潰しながら
「お前なぁ…
昨日も言うたけど
今のお前の年齢は17歳じゃなくて
26歳やねん!
そんな顔してかわいいんは
10代までじゃぼけ!!」
鼻息荒くそう言って
ぺしりと私の頭を叩いた…(涙)