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BLOODY LOSALIO

第3章 新たなるエクソシスト


『入城を許可します。アレン・ウォーカーくん』
鈍い音をたてて門が開いてゆく。それを神田越しに一瞥しながら、六幻を受け止めている己が刀を握る力は緩めずにニッコリと微笑む。
尚も無言でアレンを鋭く睨み殺気を飛ばす神田にコムイが声をかける。
『待って待って神田くん』
「コムイか…どういう事だ」
『ごめんねー早トチリ!その子、クロス元帥の弟子だった。ほら謝って、リーバー班長』
『オレのせいみたいな言い方ー!!』
再び騒がしくなる声に苦笑を浮かべる。我らが上司様は相変わらず書類の整理を怠っているらしい。
『ティムキャンピーが付いてるのが何よりの証拠だよ。彼はボクらの仲間だ』
「はぁ…。神田、後で打ち合い付き合うから今は抑えて。ね?」
なかなか引いてくれない神田にどうしたものかと考えようとした時、パコッと軽い音が目の前で鳴った。
「もー、やめなさいって言ってるでしょ!早く入らないと門閉めちゃうわよ」
「お。ナイスタイミング!さすがリナリー」
「天音もだよ!」
「はいはい。さて、入りますか」
リナリーの登場で神田も渋々といった様子ではあるものの六幻を下げてくれた。さすがは教団のアイドルである。


城内へ入れば背後で再び門が閉まる鈍い音が響き、エントランスを歩いてゆく。
「私は室長助手のリナリー。室長の所まで案内するわね」
「よろしく」
「神薙天音と申します。以後お見知りおきを」
アレンとリナリーより少し前に出て恭しく一礼し柔らかな笑みを貼り付ける。所謂"営業スマイル"だ。
「ぁ…アレン・ウォーカーです。よろしく」
そんなやり取りを無視して踵を返し去ろうとする背にアレンが気づく。
「あ、カンダ――」
名を呼ばれすかさずギラりと睨む神田。さすがにアレンも冷や汗を浮かべる。
「…って名前でしたよね…?よろしく」
「…呪われてる奴と握手なんかするかよ」
差し出される手を一瞥し、冷たく言い捨てて天音の襟を掴む。
「ちょっ、神田!首!首締まる!!」
「煩ぇよ。打ち合い付き合うって自分で言っただろうが」
「わかりましたわよ!襟掴んで引き摺らないでくださいません!?」
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