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BLOODY LOSALIO

第2章 黒の教団


「この『六幻』で切り裂いてやる」
正門に着くと、丁度長い黒髪を靡かせた青年エクソシストが対峙していた。それも殺気全開で。
(早っ!任務帰りだから余計に機嫌悪いわね、あれ…)
そしてエクソシスト―――神田が白髪の少年へと切りかかろうと地を蹴った。
「待って!ホント待って!!僕はホントに敵じゃないですって!クロス元帥から紹介状が送られてるはず―――」

ガキンッ!

「お前…何のつもりだ」
硬い金属同士がぶつかる音。ギリギリと競り合うそこには、月光に照らされ白銀の髪を美しく靡かせる少女が背を向けていた。
「神薙」
「ストップ神田。彼がクロスの知り合いであることは間違いないわ。紹介状もちゃんと届いてるはずよ」
「元帥から…?紹介状…?」
その不機嫌さ全開の声に白髪の少年、アレン・ウォーカーはハッとして声を上げた。
「は、はい…。コムイって人宛に…」
そしてそのやり取りを見ていた指令室一同の視線は1人の男にさっと向いた。
そう。コムイ・リー室長へと。
「そこのキミ!」
「は、はい?」
「ボクの机調べて!」
「アレをっすか…」
急にビシリと指さされた科学班員が冷や汗を浮かべながら目を向けるは、蜘蛛の巣も所々に見受けられ、山と積まれた書類達が散乱している場所。まさに手をつけることを躊躇わせるには十二分な状態だった。
「コムイ兄さん…」
「コムイ室長…」
2名からの呆れ声を受け、コムイ自身も捜索に加わった。

ー数分後ー

「あった!ありましたぁ!!クロス元帥からの手紙です!」
「読んで!」
科学班員のその手には確かに"from Cross"と書かれたヘロヘロの手紙があった。
「"コムイへ 近々アレンというガキをそっちにヨロシクな BYクロス"です」
「はい!そーゆーことです。リーバー班長、神田くん止めて!」
「たまには机の整理してくださいよ!!天音、神田を止めてくれ」
焦り気味に天音達の方へ声をかけるリーバーを背に、コムイは指令室の出入口へ足を向けた。
「リナリー、ちょっと準備を手伝って。久々の入団者だ」
正門の方では訳が分かっていないのか疑問符を浮かべながら開門する門番が見える。
「あの人(クロス)が出てきた子か…鑑定しがいがありそうだ♪」

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