• テキストサイズ

BLOODY LOSALIO

第2章 黒の教団



それは私が5歳の誕生日を迎えた日だった。
「天音お誕生日おめでとう!」
「さぁ、蝋燭の火を吹き消して」
「うん!」

幸せだった。
優しい母様と父様、同じく祝ってくれるお手伝いさん達。美味しい料理に甘くて可愛いバースデーケーキに囲まれて。

――――――しかし。

それは突然聞こえてきた爆発音によって幸せな世界は非情な世界へと塗り替えられた。

険しい顔になる両親と慌て惑うお手伝いさん達。
そして私に覆いかぶさる両親たちの隙間から見えたのは。
(かあさま…!とうさま…!)
何かの大きい砲塔をこちらに向けてくる球体、そしてそれが撃ち出す銃弾のようなものをその背に受け、苦悶の表情を浮かべる両親。

私の世界が壊された感覚がした。
(やめて…わたしのせかいを…こわさないで…!)
どんなに手を伸ばしても覆ってはくれない現実。どんなに切望しても、もう手に入ることの無い優しく幸せだった世界。

あの時私に彼らを守ることが出来るほどの力があれば…そう思わずにはいられない。
…本当に胸糞悪い夢だ。
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp