• テキストサイズ

BLOODY LOSALIO

第8章 マテールの亡霊③


レベル2を倒したかと思ったのも束の間、アレンは"もう一人のアレン"に胸を刺されていた。
「僕…っ?」
アレンの対アクマ武器と酷似した刃先はギシィ…と身体に食い込む。
「く…っそ!」
偽アレンは後方へ飛び退き、不敵に嗤う。
「へへへへへ写したぞぉ。お前のチカラ…」
その正体はアレンの姿と能力を写しとったレベル2。額のペンタクルもアレン本人とは左右逆になっている。
「お前、私をナメてただろ。私はレベル2!ボール型のアクマと違って能力に目覚めてんだぞ」
そういって、アレンを刺した時に付着した血液を舐めとる。唖然とするアレン。
「これが進化した私の能力…。さぁ、殺すぞん!!」
すると、レベル2は右手を大きく後方へ引き一気にアレン目掛けて突き出した。
咄嗟に左手で受け止めようとするも、攻撃を受けきれず壁を幾つもぶち抜きかなりの距離を飛ばされた。
「あ〜〜〜っ気持ちイーー!!!」
快感を覚えたのか、レベル2は歓喜の声を上げる。
「へへっ!いいもの手に入れちゃったな」
ふと、近くにティムがいることに気づいた。
「何見てんだゴラ!!」

一方、吹っ飛ばされたアレンはというと身体の上に乗った瓦礫の山を退けて起き上がっているところだった。
「痛っ…何だったんだ今の…っ」
(瞬間…あのアクマが腕を動かした途端、槍みたいなものが飛んできた。左手で受け止めてなかったら…)
そう思い、自らの左手へ視線を向けると攻撃を受けたところが損傷していた。
「げっ!うわーっキズ!キズついてる!!またコムイさんに修理されるよどうしよう!!」
入団した日の修理がトラウマになってしまっているアレンはずーんと重い空気を漂わせる。しかし自分の責任でもあるのだ。
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp