第6章 マテールの亡霊
「どんどん撃ってー」
「うぐ…」
「この人間め。装置ごと人形を結界に閉じ込めるなんて考えたね。こりゃ時間かかりそうだ」
「イ…イノゼンズはお前らアクマになんか渡ざない…っ」
足元にいる探索部隊の言葉が癪に障ったのか、瀕死の状態にも関わらず頭部に乗せていた足に力を込め、文字通り踏み潰した。
「ヒマ潰しにお前の頭で遊んでやる」
突如レベル2のアクマに攻撃が繰り出された。
「やめろ!!」
アレンだ。
彼がレベル2へ攻撃をして止める。結界の中にいる少女と老人は驚きの表情を浮かべた。
レベル2に左目が反応し、アレンは表情を固くした。
(!!こいつアクマ!?)
しかし、先刻の一撃はレベル2の大きな手によって受け止められてしまった。
レベル2はニコッと笑い、
「何、お前?」
脚を後方へ引き、アレンの腹目掛けて蹴り上げた。
「何よ!?」
蹴りによってアレンが後方の壁へと飛ばされ激突し、姿が見えなくなった。
近くの建物へと移動していた神田と天音は呆れを顕にしていた。
「はぁ…なんで突っ込むかねぇ。言ったそばから」
「あの馬鹿」
長い夜になりそうだと先を思いやられながら、天音はため息をついた。