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BLOODY LOSALIO

第6章 マテールの亡霊


「古代都市 マテール」
今はもう無人化したこの街に亡霊が棲んでいる――
調査の発端は地元の農民が語る奇怪伝説だった。
亡霊は、かつてのマテールの住人…町を捨て移住していった仲間達を怨み、その顔は恐ろしく醜やか。孤独を癒すため町に近付いた子供を引きずり込むと云う。


駅を出た汽車を追って建物の上を全速力で走る。
「あの、ちょっとひとつわかんないことがあるんですけど…」
「それより今は汽車だ!手ェ出せ天音!!」
「なんでこうなるのよー!!」
そう叫びながらも神田の方へ手を伸ばす。
伸ばされた天音の手を掴み、グイッと引き寄せる神田。3人から少し遅れていた天音は息を切らせながらもどうにかついて行っている状態だった。
「お急ぎください。汽車が参りました」
「でええっ!?これに乗るんですか!」
そうアレンが言う間にも汽車は速度を上げていく。4人は建物の上から汽車の屋根に飛び降りた。
「もう嫌…」
「飛び乗り乗車…」
「いつものことでございます」
そして近くにあった車内に通じる出入口から中に入ると、当然の如く駅員に咎められた。
「困りますお客様!こちらは上級車両でございまして一般のお客様は2等車両の方に…、というかそんなところから…」
しかし、もう1人の探索部隊が「黒の教団」と口にすると、乗務員は急に畏まった態度で一礼し去っていった。
「何です今の?」
「貴方がたの胸にあるローズクロスはヴァチカンの名においてあらゆる場所への入場が認められているのでございます」
「へぇ」
「ところで」
彼が天音に目配せすると、彼女もならって姿勢を正しエクソシスト2人に向き合った。
「私は今回マテールまでお供する探索部隊のトマ。ヨロシクお願い致します」
「同じく探索部隊の神薙天音。改めて宜しくお願い致しますわ」


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