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BLOODY LOSALIO

第5章 任務同行


「ふぁあ…眠い…」
大きな欠伸をしながら食堂へ続く廊下を歩く。
昨晩の神田との鍛錬で大きく疲労した身体は一晩睡眠をとっても完全には抜けきってくれなかったらしい。
疲れの抜けきらない体でのろのろ歩いているといつの間にか食堂近くまで来ていた。
相変わらず教団職員で賑わう食堂。美味しそうな料理たちの香りが鼻腔をくすぐる。
「お次は何かしら〜?」
「おはよう、ジェリー」
「あら!おはよう天音ちゃん。今日は何にする?」
「んー、今日はさっぱりしたのがいいから…」
ちらりとさ迷わせた視界に、高い位置で結わえた艶やかな黒髪の後ろ姿が見えた。
「…お蕎麦がいいな」
「オッケ〜!ちょっと待っててねん」
この人物、口調こそ女性の様だが性別は男。しかし心は女(自称)。そんなオカ…ジェリー(♂)料理長が作る料理たちは本当に美味しい。時折、非番の日なんかに食堂が空いてる時に料理を教わったりしていた。
「おまちどーん!天音ちゃん、今日も頑張ってね」
トレイに適量の蕎麦と麺つゆを乗せ、バチンとウインクをひとつ。
「ありがとう」
それにニッコリと返し、トレイを持ち改めて食堂内の席を見渡す。
(…まぁダメ元だけど声かけるか)
そして1席を目指して通路を歩いた。
「神田、隣座ってもいい?」
「……好きにしろ」
「ありがと」
ダメ元だったが思わぬ了承に少し驚きながら、神田の隣へトレイと腰を下ろす。
薬味をつゆへ入れたところで飲み物がないことに気づく。
「飲み物忘れちゃってたから取ってくるね」
そう一言いって席をたち、お茶を取りに再びジェリーの元へ向かう。


「なんだとコラァ!!」
お茶を貰い、席に戻ろうとした時少し離れたところから突然怒声が響いた。
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