第6章 クズキングは死んでもクズ【イヤミ】
何故イヤミの足枷が外れている?
桜は呆然と自分の足を見つめた。
「ウヒョヒョーっ!引っ掛かったザンスね?
黙っていたのは布石ザンスっ!手枷がちょーっとズレてたから、ミーのヨガパワーで外してやったザンスっ!手が外れれば足枷なんてヨユーヨユー!」
イヤミはキャッキャッ喜びながら、動けない桜に手枷も取り付けた。
「くっ!イヤミさんっ!この錠を外して下さいっ!」
「嫌ザンスっ!ああっ、なんたる優越感っ!毎日毎日チミにいたぶられた日々もこれでおさらば……おさらば……?」
桜を騙せた感動に涙を流しながら、何かを考え込むイヤミ。
「………?」
「………何かちょっと寂しい気がするザンス……何ザンス?この感じ」
「は、はぁ……?じゃあ、外して下さい」
「それは嫌ザンス」
きっぱり言われて舌打ちをする桜。
「ミーは……さっさと現世に戻りたいザンス」
「戻れるわけないじゃないですか」
「うるさいザンス。ミーは現世に戻るザンス。でも、チミに毎日いたぶられた日々……拷問は嫌ザンスが、チミのことは……」
「???何ですか???」
この人は一体、何が言いたいのだろうか?
あれだけ酷い拷問をしているのに、私に対して恨み以外に何の感情を持つと言うのだろう?
「……そうザンスね……これで別れるのも勿体無いザンスから、今日はミーがチミのことを屈服させてやるザンスっ!」
いいこと思い付いたとニヤァと笑うイヤミ。
「はぁっ!?」
その変態じみたイヤミの笑顔に桜は身動きが取れない身体で少し後退りをした。