第6章 クズキングは死んでもクズ【イヤミ】
そんな日々が続く地下の牢屋。
桜は毎日イヤミの刑罰をぼんやりと見守る。
イヤミに関する分厚い資料を退屈しのぎにペラペラと開きながら読んでいた。
「はぁー……はぁー……」
今日は下半身ゴムパッチン地獄中のイヤミ。
お尻を真っ赤にしながら、地べたにへばっている。
桜はふと一つの資料に目が留まる。
「イヤミさん」
「……何ザンス?」
「目の不自由な子を助けたことあるんですね?」
「シェ、シェっ!?
……………………………そんなの知らないザンス」
「とぼけなくてもいいじゃないですか?
いいことすると刑期減るんですよ?まぁイヤミさんの場合だと刑期長すぎるんで本当にちょっとですけど……」
「知らないものは知らないザンスっ!!!桜ちゃん!喋んないでさっさとこいつに刑罰続けてさせてチョっ!!!」
ゴムパッチンしている鬼が桜とイヤミが話しているので、手を止めていた。
「あれ?イヤミさん私の名前覚えてたんですね?
……これだけ分厚いと裁きの間でも閻魔様気づかなかったんじゃないかなぁ?」
「しつこいザンスっ!ミーはもう喋らないザンスよっ!」
そのあとイヤミは何をされても一言も喋らなくなった。