第21章 赤&紫
胸の前で不自然に両手を組んだまま寝たふり…いや、たぶん毒リンゴ食べて死んじゃった設定の可哀想なお姫様。
顔を寄せていく王子…あ、手をほどいてる。姫の片手をそっと包み込んで~の…頬ずり。うわ。自分じゃないけどちょっと鳥肌。入ってんのね、ちゃんと。さすが。
そして…ああ、お約束の、手の甲にキッスね。うん。何ていうか、やっぱ似合うよねぇ、こういうのが。画的にキレイ。俺のとは大違い(笑)。
そして…姫の顔、唇にロックオン。
松「姫…お願いです、目を、開けて…」
櫻「…」
松「姫…」
櫻「……」
松「…しょーぉ、クン」
櫻「っ」
お。
まさか…いきなり素に戻るつもり?それは~…耐えられないんじゃないかな。主に、女装までさせられてる姫の方が…。
大「ドキドキ、ワクワク…♪」
相「いけっ、そこだ!いけっ。早くやれっ」
二「…」
こっちはそこ関係ないみたいだけど。
松「目、覚ましてよ。そして…俺を、見て…?」
じわじわ、近づいていく王子の唇。今度こそ、ついに―――…?