第16章 室温低下中
二「おーのさんてば」
大「…」
二「なによ。無視ですか」
大「…さっき、本気だったでしょ」
二「…」
さっき。
あー…はいはいはいはい。そういうこと。
ん。説明ほしい?
あんね。この人、妬いてるんです。さっきの、私と潤くんのガチっぽい小芝居に。つまりは俺が本気で潤くんに…ってことに。なぜか。
二「芝居が観たいって言われたんでね」
大「本気だったでしょ」
二「…」
まーね。ヤキモチなんて言うとかわいいけど…。
全然だから、こいつのは。嫉妬。怖いヤツだよ、この人の嫉妬は。危ない方のヤツ。だって、さっきあんだけ絶賛してくれてたのに、我に返ったとたん豹変て。怖すぎるでしょ!
二「そりゃ、一発でキメたかったし。それなりには本気でやってましたよ」
大「そうじゃなくて」
二「…」
大「…」
二「じゃあなんなのよ。ハッキリ言って?文句あんなら」
大「…」
は~…
めんどくさ。
二「じゃあ、いいよ。やる気ないならやめますか」
大「やめるとは言ってない」
二「でもヤなんでしょ。そんな最悪な空気出して。別に後でもいいし。翔くんの後でも全然、俺は」
大「くじで出たんだからダメだ」
二「…」
頑固!しょーもないとこめっちゃ頑固ッ!!!