第31章 勉強の成果(?)
結局、事務所が何をしたかったのかはわからずじまい。提出したものにだって、いいも悪いも反応なかったし。本格的に売り出す前の保険かなって、勝手に思ってるけど。それも真偽は不明。
もちろん、その画は世に出てはいない(今現在)。五人とも所有してるはずだけど、いわば究極の弱み?だから、当然誰にも見せることはない。もしかしたら破棄しちゃってる人もいるかもしれない。フツーに、紛失してるバカもいるかもだし。
で
これを経たせいかはわからないけど、確実に変化はあったと思う。
まず、諦めが良くなった。スキンシップで動じなくなった。受け入れる許容量が大きくなった(?)。メンバー同士、見えない鎖で繋がってる感が強くなった。…いろんな意味で。
必要なかったとは思う。こんなことしなくても、俺らはたぶん、距離感も何も変わんなかったと思う。その関係性も。お互い前に出るタイプじゃないし、誰かを蹴落とすレベルの野心もないし。誰かを傷つけるくらいなら自分が、のタイプだから。みんな。どっちかって言うと。平和主義なグループなんすよ。
まあでも、実際にモノがないのとあるのでは、やっぱ違うかもね。もし、万が一危うい時がきたら、前向きに軌道修正するためにこいつが役に立つかもしれない。カーッとなって、一時の感情や衝動で踏み外しそうな時の命綱にだってさ。なりうるかもしんない。みんなはもちろん、己にとっても。
仕事もさ。いつもがいつも、プラスの感情だけではないじゃない。仕方なくってこともあるよ。結構に。ほとんどは『仕事だから』って割り切ってるけど、どうしても納得できないことだってなくはない。
何にせよ、一瞬でも踏みとどまって考える理由ていうか、その引き出しがあるのは、悪いことでもないかもね。