第1章 1
「このケーキ美味しい!」
私は甘いケーキを頬張りながらほっぺに手を当てる。快斗の方を見ると快斗は私を見て微笑んでいた。
「……な、何ずっと見てるの?」
「かわいいなって」
「ば、馬鹿じゃないの!?」
私は恥ずかしさで顔を背ける。すると快斗は私の手を取ってそっと手にキスをした。
「……っ……快斗…///」
「好きだよ。俺の彼女になってくれる?」
「ぁ…………」
その姿は王子様のように輝いて、キラキラしている。嬉しすぎて上手く声が出ない私の頬を暖かな涙が伝った。
「ゆい?」
「わ…私も……す……すき……快斗の彼女になりたい……っ」
私は快斗の手を握り返して、快斗を見つめる。私たちはそのまま吸い寄せられるようにそっとキスをした。
快斗からそっと離れて快斗を見つめているとテーブルの上に快斗が長方形の箱を置いた。
「これは?」
「これは、その…記念みたいな…」
少し照れたように言う快斗の頬は少し赤い。
箱を受け取り、開けてみるとそこにあったのはハートのネックレス。
「綺麗……」
「つけてやるよ」
「うん…」
快斗に着けてもらい私はそっと前を向く。
「似合ってる…」
そう微笑んだ彼が眩しくて私もそっと笑った。
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あれからデザートも終え、2人で展望台から夜景を見ていると快斗が自然に私の手を取る。
「ねぇ、快斗。話さなきゃならないことがあるの」
「ん?」
「ノアールからまたメールが来たの」
「なんだって!?」
「数日前なんだけど、特にあれから何かあったわけじゃないし。もう何も無いかもしれないけど」
「なんですぐに言わなかった?」
「心配すると思って……それに私の問題だし」
私がそう言うと快斗は大きくため息をついた。そして、私をそっと抱きしめる。
「ばーか。好きな女の問題は俺の問題だよ。お前に何かあったら耐えられない」
「快斗……」
「ゆい、もう1人で背負わなくていい。これからは俺がお前を守る」
「うん……ありがとう」