第1章 1
探の手が私の腰に周り、いざ滑ろうと言う時
「あー!如月さん!私たちもこれにしようと思ってたの!」
中森さんと快斗が居た。快斗と目が会った瞬間
「いくよ、ゆい」
「え?きゃー!!!!」
探の一声でスライダーを出発し、不意打ちで私は探の腕にしがみつく。
少しして快斗と中森さんも滑ってきた。私たちと同じように、中森さんが前でそれを快斗が後ろから抱きしめてあげるような形で…
「………」
「ゆい?」
2人をじっと見ていると探が私の顔を覗き込んだ。
「あっ…なに?」
「2人を待って次に行こうか」
「そうだね…」
快斗と中森さんが滑り終わって私たちは合流した。
「次は巨大迷宮行きたい!」
中森さんがはしゃぎながら言う。
「巨大迷宮なんてあるのかよ」
「あるんだよ!行こうよ!」
中森さんが快斗の手を引きながら、歩き出すと探が私の手をとった。
「探?」
「俺達も行こうか」
「うん…」
なぜ手を?
手を引かれながら私も歩き出す。巨大迷宮の受付に行くと受付のお姉さんがニコッと笑って私たち4人を見た。
「カップルの方はぜひ2人ずついかがでしょうか!手を繋いだまま!」
「えっ…」
お姉さんの言葉に中森さんが照れたように俯く。すると探が前に出た。
「お願いします」
「えっ!?」
探の言葉に驚いていると、中森さんと快斗が先に入って行ってしまった。
私たちも5分後に入るが中は薄暗く、ホラーの雰囲気が漂っている。
「ゆいはこういうの平気だったね」
「うん、怖くはないよ」
「ふーん」
探はイタズラに笑うと私の首筋を指先でなぞった。
「んっ!何するの!?」
「ちょっとイタズラしたくなっちゃった」
そう言いう彼の目は鋭く光る。
「からかわないでよね…!」
私は探の手を振り解き先に歩き出す。分かれ道に差し掛かり困らせてやろうと分からないように飛び込んだ。
そしてそのまま進み、立ち止まって探を待つもどうやらはぐれてしまったようだ。
「どこいったかな、探が変なことするから…」
少し焦って私は探を探すために歩き出す。
「やば迷ったかも…んっ!?」
急に誰かに口を塞がれ、隅の方に連れ込まれた。焦って蹴りあげようと足を上げると頭上から声がした。