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王子さま拾いました。〖R18〗

第3章 ♡雨の日のおくりもの



ーザー.........


「すごい雨...」


仕事を終え、ショップの中から外へ出ると
大粒の雨が降っていて
陽葵はパサリ、と傘を開く。


「お腹減ったし、早く帰ろ...」


ぽつりと呟き、
ぱしゃぱしゃと音をたてながら
地面を早足で歩いていく。





「.........あれ?」


と、曲がり角のすみっこで、傘も差さずにびしょ濡れになりながら縮こまっている人影が目に入った。


ホームレスの方だろうか...と
目を凝らして見てみるが
なんだかとても若く健康そうな身体つきをしており、加えて、服装も上品で、とてもそんな風には見えない。


「......?...もしかして...
...倒れてる、とか...?」


正直、こういう時は、
関わらないのが身のためだ。

それはわかってはいるのだが、
陽葵はどうしても
彼を放っておくことはできなかった。




「あ、あの......」


少し怯えながら、
ゆっくりとその人影に近づいていく。


「大丈夫ですか?
......どこか、調子が悪いんですか...?」


自身の傘を彼の頭上に被せると、
小さく屈んで
そっと人影に声をかける。


すると、ゆっくりと顔が起き上がった。


「......っ」


(ーまるで、王子様みたい......)


こちらを向いた、驚くほど綺麗なその顔立ちに、陽葵は小さく息をのむ。

と、いきなり空いていた方の手を
優しく彼に引き寄せられた。


「きゃ...!」


『好きです。
僕と結婚してください。』


「.........え...」
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