第1章 日常
朝だ。窓から差し込む太陽の光で目が覚めた。
今日も、会社では山の様な仕事が待っている。
ふと顔を横に向けると、憂鬱な気分も吹き飛ばす穏やかな寝顔の隆二がいる。
「アヒル口…。」無防備な寝顔に顔がゆるむ。
「んんーー。あれ、もう起きたの?…。てか、頭いってーーー。」
「お水のむ?」
「んーー。のむー。」そう言いながら彼は、2度寝するのか布団にもぐりこんだ。
「仕事何時から?私、7時には出るよ。はい。お水と薬。」彼に水と頭痛薬を渡す。
「ありがと。俺は昼から。」ごくごくと水を飲み干すと眠たそうに目をこする。
「うあー。俺、昨日かなり飲んでたべ?」
「うん。飲んでたねー。目、すっごくむくんでるよ笑。」
「まじで!?やべー。昼からだからって調子こいたな。そうだ、今日は仕事何時に終わんの?」
「えー?今週は、きついんだよねえ。遅くなるなぁ。週末も予定あるし。」
「ふーーん。誰との予定?」隆二の目が鋭くなる。
「誰って、会社の後輩と映画。なに?だめなの?」
私は怪訝そうな顔で睨み返す。
「…。だめじゃねーけど。」
そう言うと隆二は不機嫌そうに浴室向かった。
隆二がシャワーを浴びている間に、朝食を作る私。
とにかくごはんを食べる彼だからごはんは多めに炊く。
『隆二、今週は機嫌悪くなりそうだなぁ。でも、もとはと言えば、あっちが言い出したんだから。本当、わがまま。』