第11章 常闇の彼方に(黒尾鉄郎)
余韻で動けない私を、綺麗にして寝かしてくれる。
横で並んで寝られるのは、最高に幸せだった。
「は本当に俺が好きなんだな」
「……はい」
「変わってる」
「え?」
私が聞き返しているうちに、優しく抱き締められる。
「他の奴は、1、2回で飽きてたから」
「先輩……私は、ずっと、好きですから…」
息も声も詰まりそう。
涙声で私はゆっくり言った。
独り占めとか、お気に入りになりたいとか、どうでもいい。
私はただ、この人を好きでいたいと思った。
そこに競争心とかはいらない。
私はこれからも、この人に夢中なんだ。