第10章 姫君の憂鬱2(菅原孝支)
私の唯一無二の王子様は、本当にカッコよくて優しくて、大好きで仕方がない。
甘やかし上手なところも大好き。
彼といる時間は、綿菓子にくるまれているようで、私にとってとても甘い時間。
だから、彼が、たまに甘えてくる時は、なるべく答えてあげたい。
私は結局実家に戻った。
それでも、あの家がたまに恋しくて。
でもこの家も結局あるだけで人はあまり帰ってこなかった。
仕事を理由にしているのか、はたまたお互いに違う相手がいるのか。
菅原くんが、
「心配だから、せめて寝泊まりは家に帰って」
と真剣にお願いしてくるものだからそうすることになった。
学校終わりにいつも寄ってくれるのは、凄く嬉しい。
寂しがりの私をよくわかってくれている。
それでも、私から言わないと指一本触れてこない。
たまにそれが、もどかしい。
私は毎日でも、えっちなことしたいと思っているのに。
いつも帰るまで手を繋いでくれて、色んなこと話して、帰っていっちゃう。
たまにそれが、寂しくて、泣いてしまう日もあった。