第33章 主よ甘き日々を終わりまで4(烏養繋心)
翌朝早速軽い朝食と弁当を作り、見送りがてら玄関先で口付けた。
あまりにも驚いてボーゼンとしているが可愛い。
「早く帰れよ……」
何かを言いかけたがこのままだとなにするかわからない。
それにしても、キスすらヤってる時にしかしないからか、頭がしっかりそっち方向になってしまった。
夕方の部活時間にまた会って、その時に夜に時間を作ってくれるか聞いてみようと思う。
はずだった。
結局また口付けたのはいいものの、身体がしっかり反応してしまったのでその場から早く離れたくなってしまった。
「…部屋で、待ってるから…」
と最低限のことを伝えて逃げるように体育館に向かった
(あ?これではまた夜誘ってるだけみたいでは…?)
と後から気付き、大分後悔した。
雑念を振り払おうと帰宅してから走りに行き、風呂場を開けたら着替えているがいた。
なんとなく気まずく慌てて戸を閉めてうっかり怒鳴ってしまう。
(せっかく消えた煩悩が……)
いやもうそんなことより、今日はいつもよりじっくり話して距離を縮めることを目標にしよう。
しかしいざ部屋で本人と対面してしまうと、何を話したらいいか全くわからない。
どう切り出すか悩み、最近の学校はどうだとか反抗期の娘に話す父親みたいになってしまっている。
これが原因で避けられているのでは…?
隣に座り、手を繋ぎ、なんとか話題を探りたいと思った。
照れくさ過ぎてどうしていきたいかとかは聞けそうにない。
「…?どうしたんですか?」
不思議に思ったのか手を繋いだままが首を傾げ聞いてくる。
赤らんだ顔に見上げられ、もう、情欲の炎に勝てるわけがなく、 結局布団に押し倒すことになってしまった。