第30章 主よ甘き日々を終わりまで(烏養繋心)
学校から帰ると、いつもは私が最初なのに、おかえり、と出迎えてくれた。
「部活、休みだから…」
とぶっきらぼうに短く返事され、なるほど、と思った。
ゆっくりカバンを置いてコートを脱ごうとしたら、少し強引にちゅ、とキスされる。
びっくりして何も言えないままぼーっとしていたら身体を引き寄せられて、
「今日、誰もいねえんだ」
と言われて、全てをわかって、こくこくと黙って頷いた。
私室へと手を引かれて、そのつもりで早く帰ってくれたのかな、なんて思って、恥しくてうつむいたままついていった。
胸の先端をぎゅっと摘まれて引っ張られると、ビリビリと電流を流されたように痺れて、お腹の奥がじくじくする。
そこを触られるの、好きなんだろうか…?と自分に思ってしまう。
恥ずかしさもあるけど続けて欲しくて、指が届きやすそうな位置に勝手に体が動いてしまった。
割れ目の真ん中に指が這わされると、自分でもわかるくらいにそこは潤っていて、馴らされるための指がやわやわと壁を触りながら入ってくる。
「んぁっ……」
抑えようとしていた声が小さく漏れて恥ずかしい。
圧迫感で息が詰まる。
広げられて知り尽くされている私の好きなところまで触られて、身体がどんどん火照っていく。
「あぁ……!ああ…っ!」
口元を抑えてもつい声が出てしまって、近くにあったクッションを手繰り寄せる。
「いつももっと恥ずかしいことしてんだろ?」
くくっと喉で笑われて、いつも上げている髪を下ろされる。
それがすごく綺麗で、カッコよくて、触れたい…と思った。
でも、私は別に恋人じゃない。
引け目を感じてしまって、伸ばしかけた手をひっこめた。
もしかしたら、私から触るのは、嫌かもしれない。
でも、今、拒否されてしまったら…そんなことを考えると、寂しい。
顎を引かれて上を向くよう指示される。
視線がかち合う。
ちゅ、と触れるだけのキスをされて、安心させられるかのように背中を撫でられる。
段々深くなって、舌を入れられて絡ませる。
少しタバコの苦みがあって、でも嫌いじゃない。
脳までゆっくり痺れてきてゆっくり昇っていくのを受け入れる。