第24章 姫君の憂鬱3(菅原孝支)
段々と多忙になってくると、やはりさんに会う時間は必然と減ってしまう。
登下校も時間を常に合わせられる訳じゃない。
たまに待ってくれて一緒に帰る、くらいまでになってしまったことは反省している。
「……」
ムッとした顔で校門で待ち構えられ、思わずビクッとしてしまった。
「あ、待っててくれたんだ…」
「……そう」
「あー…明日の宿題多いから、今日は…」
「うちでやればいいじゃん…」
どうしたのかはわからないが、いつもより拗ねているのは明らかだ。
さんは、実家に戻ったが、大きい家で1日ほぼ1人らしい。
確かに、何回か泊まりに行ってみたが、人がいる気配は全くなかった。
かなり忙しい職種だとは聞いたが、お会いすら出来ないとなると不安になるし、帰るよう提案した俺もバツが悪い。
自室にほぼ籠りきりでは、寂しさもひとしおだろう。