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【短編集】慟哭のファンタジア【HQ】【裏】

第2章 白昼夢幻想曲(烏養繋心)


はあはあと荒い息をお互い整える。
肌が汗ばんで、何時間そうしていたかもうわからない。

「、これで最後にしよう」

一番聞きたくなかった言葉。
なのに初めて呼ばれた名前。

「なんで…」
「必要なくなっただろ?
もう、自棄になって自分を安売りすんな」
「……っ」
私が不安定でないなら、もう、触れてもらえないなんて。
最初からわかっていたのに。
高校生にもなって、初めて声を出して泣いた。
「男冥利につきるな、そんなんしてくれると」
「だって……、…っ!」
言ってしまいたい。
迷惑だろうか。
振ってくれた方が楽になるだろうか。
「好きなんです…」

とうとう、口にしてしまった。
気持ちが、軽くなるのと同時に、怖い。

「数回シただけで?」
「…浅はかなのは、わかってます…。
でも、抑えられません……。
私が好きなだけでいいっ…!
付き合って欲しいとか、そんなこと言わない…。
身体だけでもいいから……、終わりにしないで…っ」
「物好きだな、お前…」
否定されなかった。
それだけで、嬉しい。
「頑張って惚れさせてくれ」
冗談混じりでそう返してくれた顔は、いつもより優しかった。

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