第19章 蜂蜜レモネード3(影山vs及川)
高校生になったさんは、以前より綺麗で魅力的だった。
そこはかとない色気がまた恋心を擽られる。
ひたむきな前向きさや、素直な綺麗な心は、きっとそのままなんだろうな、と思わせる真っ直ぐな目や仕草は残ったままだ。
残念ながら違う高校になってしまったが、練習試合で再会したときに、確かにそう思った。
彼女は相変わらず、及川さんの操り人形だったわけだけど。
他の部員たちも苦情を言わないのは、何かを握られているか、さんの色香に当てられているかだろう。
その日、及川さんには部室に来るよう命じられた。
他校の部室に入るのには、それなりに緊張する。
「トビオちゃん、を助ける手段は見つけた?」
なんて、ニタニタと笑いながら言われる。
「いや……」
諦めて否定の言葉を吐くと、及川さんは嬉しそうにした。
「止めときな、アイツはお前ごときがどうにか出来る子じゃない」