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【千銃士】笑わないマスターとfleur-de-lis.

第1章 Bah……


意識を持ち又戦う運命を背負ったと聞いた時――正直言えば(面倒くさいな)という気持ちになった。
既にレジスタンスにいたベスくん達に尻を叩かれる形で再び人間の戦争の道具として使われる事になる。
まず思ったのは人間の体ってのは不便だ。
色んな液体が色んな場所から出るし、それに全部違う名称がついている。
意思無き道具をやっていた時にも目にしていたそれは案外にも厄介だった。
「あ、砂、目に入った……痛い、痛いこれどうしたらいいの?」
「グダグダうるせぇな。擦っときゃ治るだろ」
レジスタンスの戦闘訓練でベスくん(ブラウン.ベス。一番の古参で口うるさい)に引き倒された時にもろに顔面に砂やら土がつき目も口もジャリジャリで散々だ。
「ベス、離してあげて」
マスターだ。
「マスター、甘やかすなら……」
言いかけるベスくん。が、言葉が止まる。
と――いうのもマスターがポケットから出したスキットルの中身を思い切り俺の顔に浴びせたからだ。確かに目や顔のジャリジャリは取れたけど今度はドロドロだ。
スキットルをポケットにしまい、今度は無言でハンカチを差し出してくる。
「ありがと、」
ハンカチを受け取ると彼女は組手に戻っていく。別に彼女みたいな痩せっぽちの女性が無理して戦う事は無いと思うんだけれど。
「余所見とは余裕だな」
ハンカチで顔を拭いていると今度は思い切りベスくんに足払いをかけられ再び顔面土まみれになった。げふん。
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