【千銃士】笑わないマスターとfleur-de-lis.
第4章 イブの時間
とまあそんな事があって数日――ずっと胸がもじゃもじゃする……マスターが、……が、気になって気になってもじゃもじゃする。
又人を救う武器として体を得てからずっと側に居てくれた人。いつも優しく見守ってくれた大切な人。マスターの事がもっと知りたい。
今までの俺は自分の事に必死で、マスターがどんな人かなんて気にかけた事なかったけど。
知りたい。マスターが、が何でこんな危ない事をしているのか。何であんなに女の子扱いを嫌がるのか。何で――何で、笑わないのか。
マスターは実は結構色んな事を考えているらしい。――というのはベスくん談だ。
マスターはベスくんに全幅の信頼を置いている。
『俺達にそんな関係は必要ない』……ナンテ言うけど、ベスくんもホントは『シシー』とか呼ばれてたりして……。
……………………………………………………胸が……もじゃもじゃする。
俺はマスターのことを何も知らない。
マスターも自分の話はしない。
でも知りたい。
マスターの事が知りたい。マスターを笑わせたい。だから、マスターの事、いっぱい知りたい。
マスターには……聞けない。よね?
マスターは話してくれなさそう。
だから誰かに聞いてみたい。
マスターの昔のお話――。