【千銃士】笑わないマスターとfleur-de-lis.
第3章 笑わないマスターがちょっとだけ笑う話
次の朝――、朝の食堂にいつも通りの順番で皆がやって来てご飯を食べていた。
俺は大体真ん中位、ロマノフ一派ナポレオン陣営と同じ位。
ベスくんは早寝早起きを信条にしているから俺が来る頃には食べ終わり来るのだけは早いマスターに茶を出したり世話をしている。
俺が食べ出す頃にはドイツ戦争組が大体到着。
みんな午前の訓練や作業に遅れない範囲なら何時に起きても構わないのだ。入れ替わり立ち代り色んな人がご飯を食べに来る。
俺はいつもの隅の方に腰掛けてバターが足りないカチカチのパンをスープに浸しながら食べる。
やはり隅っこにマスターがいてベスくんと何か話していた。
仲良さそうだ。まあ、ベスくんは名実共にマスターの腹心だ。
マスターは立ち上がり配膳台へ行く。
今日の炊事当番はタバティエールだ。
「たぁたん、お代わり」
マスターの言葉にその場にいた全員が動きを止めた。