第4章 天泣
「…んでさ…悩みって、何だったの~?」
「大野さんは?」
「俺はぁ~……ニノは?相葉くんの事??」
大野さんが、上手に話をすり替えたのが分かったけど、泣いて笑って、スッキリしたから、言う気もなかったこと、大野さんに話してみようと思ったんだ。
「あいつさ~、俺になんか、隠し事してるんだよ~」
「そら、言えないことだってあるでしょ?」
無いの///
少なくとも今まではなかったんだ…だけど…
「なんか必死に隠してるんだ」
「それって、どんな…?」
「浮気…してるよ…絶対!」
「まさか~?相葉くんに限って~??絶対にないよ!」
俺は、言いきる大野さんをじっと見つめた。
俺だって、そう思いたいよ…でもさ…
あれは…あんなの平気で付けるような奴と…
「ニノの気のせいってことも」
「キスマーク…」
「へっ??」
「あいつ、背中の肩のところに、赤い痕、付けてたんだ」
そう…俺に分からないと思ってるのか?
それとも、付けられたことも分かってないのか?
「嘘…」
「ホント。隠す感じでもなかったから、付けられたの知らないんだよ、多分…」
「それって…?」
……そう。
分かってるよ。
あれは、雅紀の相手の、俺に対する挑戦だ。
今までは、何とか否定しようと思っていたけど、大野さんに話したことで、確信に変わった。
雅紀と関係を持った奴は、俺にその存在を知らせるために、わざと雅紀が自分では見えない場所に付けたんだ。
「そいつは、ニノと雅紀の事、知ってるやつ、ってこと…なの…?」
「俺って知ってるかどうかは分かんない…。
でも、雅紀に恋人がいることは、知ってるんだ…きっと」
……雅紀を問い詰めたい…
『俺に隠れて、誰とヤッたんだ??』って。
でも……
そんなこと言ったら、雅紀は…どうするんだろう?
まさか、俺の元から去る…なんて、そんなことない…よな?
もしそんなことになったら…
俺…俺は……
生きていけないよ…