第1章 風花
【雅紀】
『終わったよ~』
メールを送ると、すぐに既読が付いて『こっちも終わった』って返信がきた。
「相葉く~ん、今日はさ…」
「あ、渡部さんすいませ~ん!今日はちょっと…」
「この間もそう言ってたじゃん!」
「すいません!この次は飲みに行きましょう!」
強引に話を終わらせて、俺は車に乗り込む。
『今から帰るよ!そっちに行ってもいい?』
『ダメ』
『え~?なんで~?愛する旦那に会いたくないの~?』
ふざけてそんなメッセを送ると、ウサギが白目剥いたスタンプが返ってきた。
『翔ちゃんと、飲んでるから』
続けて送られてきたメッセに、びっくりした。
翔ちゃん?
珍しいな。
そういや、今日は翔ちゃんと2人の撮影だったっけ。
『じゃあ、合流してもいい?』
『ダメ』
『なんでだよ~!』
『自分の胸に手を充てて、考えてみろ!』
あれ?
なんか、怒ってる?
『なんで怒ってんの?』
『なんでわかんないの?』
『だって俺、なんもしてないもん!』
そう送ると、しばらくの間なんにも返信なくて。
痺れを切らして電話をしようかと思ったら。
『背中』
送られてきた文字を見て、サーッと血の気が引いた。
え!?なんで、バレた!?
絶対ニノに見られないとこにつけたのに!
『土下座して謝るんなら、来てもいいけど?』
する!
なんでもするから!
許して~!!