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kagero【気象系BL】

第3章 洒涙雨


「…っは…あっ…潤っ…も、むり…」

何度も何度も、貫かれて。

荒れ狂う嵐のような快楽の中で体が悲鳴を上げても、潤は俺を離そうとはしなかった。

「無理じゃないよ。また勃ってるじゃん」

奥を穿ちながら、前を握られて。

「あぁぁっ…」

敏感になりすぎた体は、勝手に跳ねる。

「お願いっ…も、許してっ…」
「…ダメ…」
「じゅんっ…」
「…ねぇ…俺のこと、愛してるよね…?」

激しく突き上げながら零した言葉は、静寂に吸い込まれるように儚くて。

「あぁっ…もう、ダメ……」

答えようとしたけど、それより一瞬早く、白い闇が俺を覆い尽くした。






「…ごめん…」

重い目蓋をこじ開けると、目の前には眉をハの字に下げた潤がいた。

「ごめん、俺…やり過ぎたよね…」

せっかくのイケメンが台無しなくらい、情けない顔をするから。

俺は気怠い腕をなんとか持ち上げて、潤の頬を両手で包み込む。

「うん…明日、腰痛くなったら、困るんだけど…」

冗談っぽく、苦笑交じりに言ったのに、ますます眉を下げてしまった。

「…ごめん…」

まるで、叱られた子どもみたいな表情。


そんな顔しなくても…


「…いいよ。気持ち良かったし」

あながち嘘でもないことを言うと、縋るようにぎゅっと抱きついてきた。

「ねぇ、大野さん…」
「ん?」
「なんで…オッケーしてくれたの?俺と付き合うこと」

それはこの2年、幾度となく交わされた言葉。

「…潤が、好きだからだよ?」
「嘘…だって、あの時はまだ好きじゃなかった…」
「自分で気付いてなかっただけで…好きだったよ」

そう言うと、黙り込んでしまう。

いつも、そう。

自分から聞いてきたくせに、その言葉に傷付いて…



なぁ、潤…

どうしたら、俺の気持ちがおまえにちゃんと伝わるんだろう?

俺がどんなにおまえのことが好きなのか

知らせてくれる機械でもあったらいいのに……




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