• テキストサイズ

kagero【気象系BL】

第2章 朧雲


【雅紀】


どう、しよう…


『今夜、俺んちに来て…話があるんだ…』


ぐるぐる、ぐるぐる…

翔ちゃんの言葉が頭ん中を回ってる。

彼女のことを報告するだけ…
そう、言ったけど。

ホントに、それだけ?

だったら、別に家じゃなくてもよくない?

その辺の居酒屋だって…

そう思うのに、言い出せない。


『終わったら、LINEするから…』


終わったら…

終わったら…?

俺…どうしよう…



ずっとそのことばっかり考えてたから、収録に集中なんかできるわけなくて。

なんとか笑顔だけは浮かべて乗り切ったつもりだったけど、いつも一緒にいるメンバーには上の空なのはバレバレだったみたいで…

「いい加減にしろよ!仕事を蔑ろにするんだったら、ニノと別れろっ!」

楽屋に入るなり、松潤に怒鳴られた。

「…ごめん…」
「なにがあったか知らないけどさ!くだらねぇ喧嘩で仕事に支障きたすんじゃねぇよっ!プロ失格だ!」

次々に飛び出す言葉に、返すこともできない。

松潤が怒るのは当然だ。

俺、一番やっちゃいけないことやった。

テレビの向こうで応援してくれる子たちには、俺の心の中なんて関係ないのに…

「…もう、いいでしょ?相葉ちゃんも反省してるみたいだし…。次は大丈夫だよね?ね?相葉ちゃん」

リーダーが柔らかい声で松潤を宥めてくれる。

「うん。ごめん…もう、二度とやんないから…」

膝につくくらいに頭を下げると、松潤はこれ見よがしに大きなため息を吐いて、楽屋を出て行った。

「大丈夫だよ。俺が宥めとくから」

リーダーが俺の肩をポンと叩いて、松潤の後を追いかける。

楽屋には、俺とニノと翔ちゃんが残って。

俺のバッグの中で、携帯のバイブ音が聞こえた。

「相葉くん、あんま気にすんなよ。じゃ、お疲れ」

翔ちゃんが、リーダーと同じように俺の肩を叩いて、出て行った。


/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp